医療法人 蒼龍会

名誉院長、副理事長のご挨拶
 

ご挨拶 --当院の誇り--

西澤良記
名誉院長、副理事長



 開設された1975年当時から、そして2年後法人化されてさらに、わが国の透析医療のトップランナーとしてこの半世紀を駆け上ってきた井上病院は、現在は透析医療を軸としながら、長年に亘って培われてきた医療資源を地域医療にも拡大し、社会に貢献してきております。

 創設者の故井上隆先生の「私たちの信条」である「お客様本位の医療を提供し、腎医療の専門領域を確立し、働き甲斐のある職場づくりを目指し、地域住民の健康生活に奉仕する」という言葉は現在も脈々と受け継がれています。私は大阪市立大学大学院医学研究科代謝内分泌病態内科学教室を主唱し、医学研究科長を歴任したのち、同大学の学長・理事長を務め、2016年3月に退任ののち、故井上先生の遺志を慕って本院にまいりました。

 開設当時から診療や研究で本院に関与してきたことの一つに井上病院で毎月開催されている「火曜会」という学術検討会があります。
私の先任の教授であった故森井浩世先生が助教授時代に、病院の先生やコメディカルの方々と大学のスタッフが臨床現場の病院でカンファランスを行うことを重要視され、私はまだ大学院生でしたが参加させていただきました。症例検討、臨床研究の企画や進捗状況、国際誌からの情報収集、ガイドラインの解読、学会での話題報告、臨床研究に必要な基礎勉強、論文の執筆、ときには本の編集など多岐にわたりました。本当に多くの透析医学の業績が積み重ねられ、また多くの優秀な人材を輩出したのではないかと思います。私が関係しただけでも”透析患者の検査データ・ブック(中外医学社、1987年)”、”糖尿病性腎症の透析(中外医学社、1989年)”などの著作をはじめ米国腎臓学会誌、国際腎臓学会誌、日本透析医学会国際誌などに100篇以上の論文を報告しています。現在は、病院スタッフや大学関係者とともに他病院の専門医も仲間に加わってもらい快活に、かつホットな議論を続けています。

 透析医療は、平均導入年齢が69歳といわれるように高齢者医療の特色を色濃くしてきております。合併症は多彩で、かつ高度なことが多く、診療はもとより介護もより複雑化してきているのが現状です。そのなかで、当院は血管障害領域、運動・栄養領域、感染症領域に、より専門的に力点を加えて、各科横断的に患者様の生活能力の向上を目指したいと日々努力をしております。
さらにはその病院機能を地域医療という、より幅の広い診療体系に活かすことが病院としての使命であると認識し、当院関係者全員が明日に向かって希望を膨らませて精進しております。